- いざアメリカへ!(9月20日)
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いよいよアメリカへ出発の日。
正直言って成田で飛行機に乗り込むまでアメリカ行きを信じられなかった。
去年は9月11日のテロでアメリカ行きがドタキャンになった。
今回もアメリカのブッシュ大統領はイラクを攻めたくてウズウズしていたし、
イラクの態度もあくまで頑なだったしいつドンパチが起きてもおかしくなかった。
頼むから何も起きないで!直前まで祈るしかなかった。
NEXで成田へ向かう。
いつも通勤のとき横須賀線に乗っているのだけど、
横浜駅のホームで大きなトランクをもってNEXを待つよその客を恨めしく思っていた。
今回はわしが乗る番なのだ。どうだ参ったか!
今回はツアーに参加しての渡米。
次回自分で行くための予習なのだ。
まずはユナイテッド航空のB747-400でシカゴへ向かう。
飛行機は超満員。
離陸時の滑走はぜんぜんスピードが上がらない。よほど重いらしい。
背中を押し付けられるようないつもの加速感がまったく感じられない。
ほんまに上がるんだろうか?
と心配になるくらいなかなか飛行機は上がらなかった。
きっと滑走路ぎりぎり上がったんじゃないかな。
スッチーさんは、アメリカ人のオババばっかり。ふたりだけ日本語がわかるスタッフがいるらしい。
一人メル・ギブソンそっくりのカッコいいパーサーがいた。
彼の仕事はテキパキとしてサスガ!
しかし自分とは反対側の担当だった。
おかげで飲み物でも機内食でも彼が担当する左側の席は出てくるのが早い。
わしが座っている右側はオババスッチーがもたもたしてなかなか来ない。
左側のお客さんが食べ終わった頃、わしに食事が届くありさまであった(汗)。
フライトは約11時間弱。
順風なのにものすごく揺れた。ほぼ2時間おきにベルト着用のサインがでる。
ひどいときは震度5以上の揺れでおちおち寝てられなかった。
アルコールたくさん飲んで寝てしまう作戦だったけど、ぜんぜんダメ。
機内食はぜんぜん期待してなかったけど、予想通りイマイチだった。
というか食べた後に気持ち悪くなるのには閉口した……。
とくに2度目の食事でモッツァレラチーズをくるんだパスタはあとで吐き気がした……。
だったら食うな……ですね。
シカゴは雨。エアーショーは大丈夫なのだろうか?
シカゴに着陸したい飛行機が集中していたらしく、わしが乗っている飛行機にホールド(旋回して上空で待機)がかかってしまった。
ホールドの最中はずうっとイン・クラウド(雲の中)で揺れまくり。
約30分の待機でようやっと着陸態勢に。
シカゴ・オヘア空港の警備はえらくピリピリしていた。
警備員の誘導とはあさっての方へ行こうとした人を、
えらくきつい口調で「おまえどこへ行く!?パスポート持ってるか?」と棍棒を取り出して2人がかりで詰問してた……。いやはや。
飛行機を降りてすぐの入国審査は係りの人が愛想の「あ」の字もない。
「アメリカへ来た目的は?」、「何日滞在する予定か?」、「家族か友達と一緒か?」を退屈そうに訊かれた。
ろくにこっちの顔を見ようともしない。いいのか!?
預けた荷物を受け取ったあと、モノレールで別のターミナルへ移動してヴァージニア州ノーフォーク行きの飛行機に乗り継ぐ。
大昔この空港はターミナルが3っつあってえらく大きく感じたものだけど、今はさらに5つに増えている。うひゃー!
ツアーでよかった。一人だったらぜったい迷っているよ。
国内線のターミナルでも手荷物検査。
入念に調べているらしく長い行列ができている。
そうそう、成田で空港の人に聞いたんだけど、ユナイテッドとアメリカンは荷物のチェックにかなり神経質になっているとのこと。
搭乗客だけじゃなく空港の職員も金属探知機をとおらなくてはならない。
着陸が遅れたためにノーフォーク行きの出発まで、あまり時間がない。
最悪なことに、列に並んでいる最中にトイレへ行きたくなってしまった(汗)。
我慢できなくて列を抜け出してトイレに駆け込む。
また最後列から並ばなくてはならなかった。
いやー。別の意味で汗が噴出してきましたね。
さっきよりも行列が長くなってる(大汗)。
イライラしながら順番を待つ。検査の進みは相変わらず遅い。
検査が終わった後は駆け足でノーフォーク行きのゲートへ。
F14というゲート(笑)だったのだが、よりによって建物の一番端!
アメリカの空港は広いから行けども行けどもたどり着かない(脂汗)。
Boardingの時間にはギリギリで間に合った。
ところが、出発が遅れていて搭乗はまだずっと後とのこと……。
もう、どっと疲れが出てへなへなと座り込んじゃいましたよ。
初日で乗り遅れちゃったら洒落にならないもの。
ノーフォーク行きの飛行機はユナイテッド系列のえらく小さなジェット機だった。たぶんCL-600。
定員は50人くらい。
スッチーさんは一人だけ。
さきほどのB747とはものすごいギャップ。まるでおもちゃ。
雨と乱気流の中をほんまにこんなんで飛ぶんかいな?
飛行機に乗る前の切符もぎりの時点でパスポートを見せなくちゃならないのに驚き。
昔はそんなことなかったよ。
ここで客をランダムに選んで手荷物を開けたり金属探知機を当てたりしていた。
自分は今回の旅行で一度もひっかからなかったのはラッキー。
やっぱ彼らは人の顔で判断しているようです。
わしはきっと悪いことしそうな顔じゃないのでしょう(笑)。
同じツアーに参加したメンバーで何度も引っかかっている人いたもんね。
約2時間でノーフォークへ着いた。
フライトはほとんど揺れなくて快適だった。
すでに夕方5時ちかくになっていた。
天気は晴れ。ひと安心。
ノーフォーク・インターナショナル空港はとても綺麗なのにびっくり。
オヘア空港は都会だけに人がウジャウジャいたけど、
ここは人が少なくてガランとしてる。
ここで現地のガイドさんと合流してバスでオシアナ基地へ向かう。
この日はエアーショーの初日でトワイライトショーがあるのだ。
ノーフォークは緑と池がいっぱいあってとても落ち着いた雰囲気の街だった。
右側通行と横文字の道路標識でアメリカへやってきた実感がじわじわと湧いてくる。
オシアナ基地はヴァージニア州のバージニア・ビーチという海沿いの街にある。
バスの運転手は若い黒人女性。
この人は2度も道を間違えてしまった。
しかもハイウェイの出口から大渋滞。
みなさん基地へ向かうらしい。
トワイライトショーはすでに始まってしまい、車窓から編隊の軍用機やら小さな複葉機のアクロバットが見える。
およよ。
渋滞中は強烈に睡魔が襲ってくる。いかんいかんここで寝てしまっては時差ぼけになってしまう。
懸命に寝るのを我慢する。
バスはゆるゆると進み、のどかな牧場が見えてくる。
牧場には馬さんがたくさんいた。
オシアナ基地は牧場の中にあるのであった。
基地の敷地内に入ると、F-14、F/A-18、A-7、A-6、F-4などが道の左手に展示してあった。
NEXはまるでモールみたい。
さすがアメリカの基地!規模が違う。
ゲート近くまで来たときに、ものすごい爆音。
F-16、A-10、F-86がほぼ同時にハイレートクライム。すごい!すごすぎる!!
バスが駐車場に入れたころには、だいぶ日が沈んでしまった。
入場前の手荷物検査は拍子抜けするくらいあっさりしてた。
エプロンに駐機しているブルーエンジェルスとスノーバーズを見て、アメリカの基地にやってきた実感が湧いてきた。
観客は子供連れの家族できている人が多い印象。
そうこうしているうちにF-14のデモ・フライトが始まった。
薄暗い中でのデモ・フライトはとても新鮮。
暗いおかげでアフターバーナーの炎がものすごく綺麗に見える。
超低空の高速バスのときの爆音はすごかった。
ボンっと衝撃波を感じたのでマッハ近くまでスピードがでていたのだろう。
そして滑走路にバババババと炎が!
そして真っ黒な煙がモクモクとあがった。
どうやらダミーの爆弾を落としていったようなのだ。
というのはウソ。
このときは暗くてよくわからなかったのだけど、
実は爆弾を落としたわけではなくて、地上に仕掛けてある火薬が爆発したものです。滑走路近くに人がいて、スイッチを押すと爆発するしかけ。
それにしても、うぎゃー!なんちゅう迫力!!
日本のエアーショーでは絶対ありえない演出!
これが終わるころには、あたりは完全に真っ暗。
そのあとT-6によるナイト・デモは飛行機から花火を放ちながらの曲芸飛行。幻想的でロマンチックな演技だった。これもアメリカならでは。
イギリスからやってきたRed Devilsのパラシュート降下は光る服とパラシュートで空から降ってきた。
人の形がいっぱい夜空に散っているのは不思議な光景だった。
ジェットエンジンを搭載したトラック"Shockwave Jet Track"の登場にアメリカ人の皆さんは大喜び。
ボボボボと大きな炎を吐きながら走るトラックはとても漫画的。
これがアクロバットをやる小さな飛行機と競争するのである(笑)。
アメリカ人はこういうのが好きなんだな……。
Dan Buchanan氏のハング・グライダーも空中に花火を放ちながら降下。
この方は過去に大事故に遭って車椅子状態なのだそうだ。
トワイライトショーの締めは花火大会。
日本のと同じような花火が上がった。
ラストの連続花火に観客は大歓声。
場内に流れている音楽はブルース・スプリングスティーンの"Born In The USA"とかジョン・クーガーの"R-O-C-K In The USA"など、
歌詞に「USA」や「アメリカ」が入ってる曲ばかり。ナショナリズムを煽っているのがよーくわかった。
どこかの格納庫でバネッサ・カールトンのコンサートが行われいたようだけど場所がよくわからなかった。
彼女はまもなく来日公演する予定の大物アーティストなのだ。
ちょっと残念。
帰りもクルマが集中して大渋滞。
コンビニで食料を調達してチェサピークのホテルに着いたのは夜10時半過ぎていたように記憶している。
ホテルは綺麗でとても快適。
部屋は広くベッドがふたつもある。
おまけに電子レンジと冷蔵庫がついていた。
独り占めしちゃうのがもったいないくらい。
ゴージャスな気分でビールも効いてコテンと眠りに落ちてしまいました。
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