2002 Neptune Festival Air Show NAS Oceana
アメリカ旅行記

ワシントンDC

憧れのワシントン(9月23日)
アメリカ滞在4日目。 この日は5時半起きしてワシントンDCへ向かう。 ワシントンといえば、大昔アメリカへ行ったときに駐在の日本人の方からオススメの 場所として教わった。 そのときの予定にワシントンが入ってなくてとても悔しい思いをしたのだ。 まさか、今回のツアーで行けることになるなんて(嬉)。
朝の支度中に何気なく地元のニュースを見ていたら、 オシアナ基地周辺の民家のガラスが飛行機の衝撃波によって割られた模様がリポートされていた。 どうやら土曜日にマッハ越えした飛行機があったらしい。 当局はどの飛行機が原因になったのかはまだ掴んでいないと報道されていた。 そして、ガラスを割られた住民がぶーたれているインタビューも放送されていた。 いやはや、天晴れというかなんというか……。日本だったら大問題ですな……。
6時半にバスで出発。 月曜日なので朝の出勤ラッシュにぶつかり高速道路は渋滞。 とはいえ、ゆるゆる流れていたので余裕をもってノーフォーク・インターナショナル 空港に着くことができた。 ずうっとわれわれにバスの運転手としてつきあってくれた黒人女性ともここでお別 れ。
ここの荷物検査はなかなか手強かった。 係員はわれわれが預ける荷物を全部開けて小さな四角い布をカバンやトランクの内側に擦りつけ る。 擦り終わった後その布を機械に入れると、なにやら数字が表示される。 どうやら爆弾検査のようであった。 この作業を全員の荷物に行っていたのでけっこう時間がかかった。 もし、ギリギリの時間に空港へついたら冷や汗ものですね。
ターミナルに入る前にも、手荷物はX線を通され人間は金属探知機をくぐらなくては ならない。 探知機がピンポンと鳴った人は靴を脱がされ足の裏まで調べられていた。 いやはや。 噂には聞いていたけどホントだったのだ。
飛行機の出発までかなり時間があったので売店で地元の新聞"Virginia Pilot"を買っ てみた。 売店のオバハンはわしのことを"Are you Spanish?"なんてぬかしやがる。 "No I'm a Japanese!"といったらビックリしてた(汗)。 俺はいったい何人やねん?どこの生まれやねん? 何でそう思ったのか効いたら、鼻が高いからって言ってたけどホントか?わしは彫りが深いのかしら……。
ノーフォーク発ワシントン行きの飛行機はさらに小さかった。 約30人乗りのプロペラ機。 空は曇り今にも降りそう。大丈夫か? 空港の人がわしらの荷物を手荒く飛行機に積み込んでいるのが見えた。 奴らは平気で放り投げるのだ……。
飛行機に乗ってからその狭さにちょっとビビる。 背の高い人はかがんで歩かないと頭がつっかえてしまう。 座席は左に1列、右に2列。バスより小さい。 自分は左側の席だったのだけど、今にも頭がつっかえそう。 足の置き場がない。これで揺れたら地獄だ!
幸いにフライトはぜんぜん揺れなかった。 今回の旅で一番快適な飛行だったかもしれない。 スッチーさんはひとりだけ。 飲み物とお菓子が振舞われた。 わずか45分ほどでワシントンのダレス空港に到着。 この空港は映画「ダイハード2」の舞台になったところ。 増築中であちこちで工事が行われている。 スターウォーズに出てくるような巨大な乗り物が行き来している。 最初、工事用の車両なのかな?と思ってたら、実は搭乗客や職員がターミナルを移動するためのバス だった(汗)。 写真を撮り損ねたのが悔やまれる。 わしらもこれに乗ってターミナルを移動したのであった。 空港の建物を出ると空気がひんやり。 ちょっと寒いくらい。 ほんのちょっと移動しただけでこうも気候が違うものか。
ここからバスに乗ってまずはアーリントン墓地へ向かう。 今回は黒人の年配の方が運転手だった。 高速道路の真中の2車線が空港へアクセスするための道で、 その外の4車線は普通の道らしい。 IT関連の企業が多く高所得層が住んでいるらしい。 ちなみに、ダレス空港もアーリントンもさきほどまでいたノーフォークと同じヴァージニア州にある。 千葉にある成田が新東京国際空港と名乗り、浦安なのに東京ディズニーランドと名乗っているのと同じか。 ワシントンDCは大昔にヴァージニア州へ一部土地を返したので、現在はとてもいびつな形をしている。
アーリントン墓地は小高い丘にあった。
arlington

このへんは緑が多くてとてもいい感じ。 戦争で亡くなった方のお墓がいっぱいある。 ちょうど靖国神社と千鳥が淵を合わせたようなものだろうか。 われわれはジョン・F・ケネディのお墓へ向かった。
JFK

若くして志半ばで逝ってしまった故人を偲んで炎が灯されつづけている。 思わず日本式に拝んでしまいました。 そういえば、けっこう日本人いました。 このお墓の反対側からワシントン記念塔とリンカーン記念館を見下ろすことができる。
このあとそのリンカーン記念館へ。 ポトマック川のほとりにあってここも緑がいっぱい。 ワシントンDCでは国会議事堂より高い建物を建ててはならぬと決まっているらしく、 いわゆる高層ビルがない。 都会にありがちな圧迫感がなく快適。
  
Lincoln Lincoln

記念館の中にはリンカーン大統領の大きな大理石があり、その左側には人民のための政治で有名な演説が壁に彫ってある。 この建物のそばに朝鮮戦争とベトナム戦争でなくなった方々の名前が彫ってある記念碑があった。 このへんの林を歩いているとリスがいた。びっくり。 リスの写真を撮っていると、いきなり年配のアメリカ人に話し掛けられた。
"Can you speak English?"
Hでは間違いとされる表現だけど、現地ではちゃんと使われてまっせ。
ここで"Yes!"とためらうことなく言える。ああ、英会話習っててヨカッタ。 そしたらこのオジサンは、「もうちょっと数マイル先に行くと白いリスがいるよ」と教えてくれた。 わしは教えてくれたことを素直に喜んだらオジサンも嬉しそうだった。 これぞ正しい異文化コミュニケーション!? そんなに奥までいかなくても白いリスはいたんだけど(汗)。
リス

さらにホワイトハウスへ向かう。 ワシントン記念塔の前を通る。 ここの展望台は素晴らしいらしいけど予定には入ってなかったらしい(泣)。 池の向こうにジェファーソン記念館が見えた。 ポトマック川の脇に植えてあるサクラは日本から贈られたもの。 でもこのへんにあるのはほとんど子孫の木で、日本のオリジナルの木はもうわずかしかないそうだ。 ガイドさんが気を利かせてペンタゴンの前を通るようコーディネイトしてくれた。 ペンタゴンそばの道は大きなバスが通行禁止になっているので、 高速道路から眺めることに。 飛行機がつっこんだのは反対側で見えないとのこと。 眺め終わってホワイトハウスへ向かおうとしたときインターチェンジで張っていた警官に止められてしまった。 バスの運転手さんが呼び出され取り調べ。 われわれ日本人は一切お咎めなしだったけど、運転手さんの取調べは執拗に続き20分以上待たされた。 かわいそうな運転手さん……。われわれのワガママのために……。 無事解放されてバスがちょっと進むと、さらに陸軍の兵士が装甲車ととも待ち構えていた(冷汗)。 ここはすぐに通されたけど、いやはや。 ワシントンのセキュリティは過剰といっていいくらいピリピリしている。 ここの警察は融通がぜんぜん効かず、ガイドさんも2回バスの送り迎えをやっただけで逮捕されたことがあると言っていた……。 うーむ。 たかが観光バスで、しかもペンタゴンから遠く離れた高速道路を通っただけで何ができるというのだろう? 納得がいかん!ワシントンに対するイメージが悪くなってしまった。
ホワイトハウスに着くとなにやらデモンストレーションが行われていた。 カルフォルニアでは合法なドラッグがワシントンでは禁止されていて、 それがもとで逮捕されるのに反対しているというわけのわからない集団だった。 様子を見ていると、男性が一人逮捕されてしまった。 警察に対して野次やブーイングするデモの人たち……。
white house

ここでツアーの集合写真を撮りました。
いよいよワシントン観光のメイン・イベントスミソニアンへ向かう。 スミソニアンといえば大きな博物館が1個ドデンとあるのかと思っていたんだけど、 それは大きな誤解だった。 美術館、動物園、歴史博物館、自然史博物館など全部で18ある施設の総称をスミソニアンというらしい。 創立者の遺言で現在でも入場無料。写真撮影も自由である。 偉大な創立者に感謝しなくちゃ。 道中に世界銀行やIMFの建物の前を通った。 学校で教わっただけで自分には縁のないところだと思ってたけどまさか本物が見れるなんて! 中華街があるのにビックリ。 ニューヨークだけじゃなかったんだ。 横浜の中華街のようなトリイもあって、なんか懐かしい。 ラーメン食べたいとは思わなかった。 そりゃそうさ、明日否応ナシに日本へ帰るんだもの。 はあ、ぜんぜん帰りたくない。 もっといたい。 帰ることを考えると憂鬱になってくる……。 マイケル・ジョーダンがいるウィザーズの本拠地の前も通った。 ワシントンは再開発の真っ最中でやたら工事中のビルばっかり。
スミソニアンでは自由行動。 スミソニアンの美術館の地下にあるカフェテリアで有志とランチを食べた。 建物に入るとき空港と同じような手荷物検査と金属探知機を通らなくてはならない。 ワシントンは物価が高い。 ビールの小さいビンが4ドルもする……。 わしはハンバーガーとサラダを食べたけど、味は酷かった。 マクドのほうがマシだったかも。 ツアーの皆さんは飛行機オタクぞろいだけに航空宇宙博物館へ向かったようだ。 わしは美術館に居座ることにした。 美術館のメイン・フロアは2階にある。とにかく広い。 90以上の部屋に分かれてテーマごとに絵画が展示してある。 吹き抜けの中庭があってそこにはソファがおいてあり休むこともできる。 部屋ごとの区切りには屈強な黒人ガードマン?が見張っている。 絵を模写している人をふたり見かけた。 13世紀〜15世紀イタリアの作品から見ていって、奥に進むにつれて時代が新しくなっていく。 わしがもっとも感銘を受けたのが印象派の作品。 ゴッホ、セザンヌ、ルノアール、モネなどが山ほど展示されている。 あまりの多さと絵のすごさに鳥肌が立った。 絵を見て鳥肌が立ったのは生まれて初めて。 黒人の女性に「すごいでしょ〜」って話し掛けられた。 わしも「感動した〜」と素直に反応。 ここでも異文化コミュニケーションできた(汗)。
東側の別館には現代アートが展示してあった。 抽象的すぎてあんまり理解できなかったので、さっさと出ようとすると出口そばに小さな展覧会が……。 小さな絵を集めた特別企画だったんだけど、ここにも印象派の絵があった。 うひゃ〜。ずうっとこの美術館にいたい!
集合時間まであと1時間ちょっとのところで、 航空宇宙博物館の方へ行った。 こっちはざーっとしか見れなかった。 航空よりは宇宙のほうがメインの感じ。 歴代宇宙飛行士の写真に「ライト・スタッフ」のメンバーを見つけて感動。 この映画と原作が大好きなのら。 チャック・イエーガーが初めて音速を超えた飛行機はとても小さいのに驚き。
館内であわててお土産を買う。 土産屋の閉店時間がまもなくなのだ。 ツアーだと買い物の時間がないのが苦痛ですね。
夕方5時半に集合してホテルに向かう。 ホテルへの道のりはかなり物騒で、黒人が麻薬で警察に捕まっているところをバスで通った……。 やばそ……。 ホテルのレストランは朝しかやってないので、 晩御飯をまず確保しなくてはならない。 物騒なので日が暮れる前に用事をかたづけなくては! ホテルから歩いて7分くらいのところにセブンイレブンがあるので行ってみた。 ビールを2本買おうとしたら、6本まとめてじゃないと売らないといわれる。 まじかよ!? 日本じゃ何本買おうが自由なのに……なんちゅう融通のなさ。 ホテルに冷蔵庫がないし、ひとりじゃ6本も飲めないので断念。 ワインでも買っておけばヨカッタとあとで後悔した。 頭にきたので何も買わなかったのだ。
ホテルの向かいにあるマクドでテイクアウトする。 日本にはないメニューがいっぱいで新鮮。 しかも日本より値段が安い。 テイスティ・なんとか・ミールっていうのを買ってみた。 これがけっこう美味かった。 同じツアーメンバーの72歳のおじいさんもマクドにやってきた。 心配に思って店員との攻防を見ていたら、やはりコトバが通じてない。 アホな若い店員はおじい様に向かって早口でまくしたてるのである。 そんなんじゃわかるわけないやろ! わしが通訳してあげることに……。 無事おじい様が買い物できてホッとした。めでたしめでたし。 次の日おじい様に感謝していただきました。 英語習ってたおかげで人助けできてわしも嬉しかったっす。
ワシントンのホテルははっきりいってハズレ。 あちこち穴ぼこだらけだし、禁煙の部屋なのにタバコくさい。 バスルームもなんだか汚かった。 タオルはへんな匂いがするし……。 夕方にわしの部屋を強引に開けようとする奴がいて……怖かった。 かぎ掛かってるのにゴンゴンと力ずくで開けようとするのだ。 いったいアレはなんだったんだろう? テレビは地上波しか見れず。 よって日本の地上波のチャンネル数とそんなに変わらない。 ヴァージニアのホテルが素晴らしかっただけに、 よけいに落差を感じた。
アルコール抜きのせいか夜はなかなか寝付かれなかった。 日本に帰るのが刻々と近づいて憂鬱になっていたのかもしれない。 スミソニアンでかなりの距離を歩き回ってそこそこ疲れてたのに関係なかった。
CNNのラリー・キング・ショーにクリストファー・リーブが出演してた。 彼は体の一部が動くようになったようである。 スポーツはアメフトやってたけど野球はぜんぜんやってない。 テレビはあきらめ、 地元のラジオ局を聞きながらアメリカ最後の夜は更けていった。