★ March 1999 ★
- Anything Worth Doing Is Worth Overdoing/Pretty Maids
- ベテランの意地ここにあり!怒濤の如きハイテンションが全11曲終わるまで持続する。
ケン・ハマーさんのギターのは衰えることを知らない。エッジの鋭いリフが気持ちいい。
ゴリゴリの早い曲もあれば、感動的なバラードやミディアムテンポでメジャーな曲もありで緩急のつけかたも絶妙。
3曲目の"Hell On High Heels"や11曲目の"Loveshine"でキラリと光るポップなセンス。
速い曲もよいけれど、こういった親しみやすい曲があるのも彼らの捨てがたい魅力。
元気の出るアルバム。
- 子猫物語/O.S.T.
- 坂本龍一を中心に上野耕路、野見祐二、渡辺蕗子らのミュージシャンが参加。
教授の「音楽図鑑」に収録された"Self Portrait"がこの映画に使われていたとは知らなかった。
7曲目の「ワタスゲの原」が一番よかった。
アコースティックピアノが前面にフィーチャーされていて、教授の素顔がもっとも良く出ているような気がした。
このCDを聴きながら、満開の桜がある風景を眺めていると、とても気持ちよかった。意外な発見。
- Power Plant/Gamma Ray
- 「継続は力なり!」懲りずにまたしてもカイ・ハンセンがヴォーカル!
こうもたて続けにやられるとサスガに耳も慣れてくる!?とうとうカイ・ハンセンの歌が邪魔にならなかったです。
意地の勝利ですね。3曲目の"Send Me A Sign"はギターの音だけ聴いているとHelloweenの"I Want Out"そのまんま。
一体どれだけの人がこれに気がつくかな?7曲目の"It's A Sin"はPet Shop Boysのカヴァー。
これが意外にもイイで出来映えでこのCDの中でイチバン光っている。
- Hopkins The Witchfinder General/Cathedral
- "The Carnival Bizarre"と同時期に発表されたシングル。
タイトル曲以外は、お遊び的要素が多分に感じられる曲ばかり。
いつもと違った彼らの表情を垣間見ることができる。
- Seventh Star/Black Sabbath featuring Tony Iommi
- 前々から気になっていたのだけど、ずうっと手が出ずにきてしまったCDの中の1枚。
改めて聴いてみると、ドラマティックかつ様式美な世界に感動した。サバスのファンの間ではいまいち評価が低い作品みたいだけど、私は結構気に入りました。
ほんとはトニー・アイオミのソロ・アルバムとしてリリースされる予定が、レコード会社の圧力でしぶしぶBlack Sabbathの名前を使う羽目になり、このような苦し紛れなクレジットになったとか。
アイオミがひとたびリフを奏でれば、それはもうBlack Sabbathの世界なのです。それ以外のなにものでもない。
Voはグレン・ヒューズ。なかなかどうしてアイオミのギターにマッチしているのですね。
DrはBadlandsやKissにも在籍した経歴のあるエリック・シンガー。
多分「とにかく思いっきり暴れてくれ」と指示があったんだろうね。
かなり派手に叩いているがよいです。
- Snowflakes Are Dancing/Isao Tomita
- 邦題は「月の光」。ドビュッシーの有名な作品をシンセサイザーで再現した作品。
これもずうっと欲しかったのだけど、今日まで縁がなかったCD。
パロディ精神というか、遊び心がちらっちらっと顔をだすのが気に入った。
クラシックの曲をただ真面目にシンセでなぞるだけでは確かに面白くない。
このCDには「笑い」の精神があるような気がした。
苦労しつつも楽しんで作りましたという快い充実感がひしひしと伝わってくる。
ちなみにこのCDはドルビー・サラウンドシステムで再現するともっと凄いらしい。
ふたつのスピーカーで鑑賞する分には、ほんの一部の実力しか発揮させていないということか。
眠れない夜のお供に最適かも。アラベスク第1番が個人的にイチバン気に入った。
- The Planets/Isao Tomita
- ホルストの組曲「惑星」を富田勲がシンセを駆使して再現した作品。
特筆すべきはこの作品の中でたびたび使われているフランジング効果。
ジェット機が飛び立つときのような「ジュワーン」という感じの音のうねりの効果なんだけど。
今日ではフランジャーという機械(エフェクター)を用いれば、誰でも簡単にこの効果を出すことができる。
だけど、この作品が作られた当時はこの手の機械は世の中に出回っていなかったのです。
富田氏は2台のテープレコーダーで同じ演奏を流して、片方のテープをハンカチで抑えて回転のスピードを変えて、その効果を得ていたらしい。
もちろんデジタル・ディレイなんて機械もないから、綺麗なエコーを得るために涙ぐましい努力をされたようです。
この辺のお話は「電子音楽インジャパン」という本に出ているので興味のある方はぜひ一読を。
1曲目の「火星」の冒頭でいきなり「木星」の有名なフレーズが出てきて「およよ?」と思わせる。
のっけから聞き手の知的レベルを試されているような感じでニンマリさせられます。
- No Heavy Petting・Lights Out/UFO
- いつの間にこんなのがあったとは!イギリス盤でふたつのアルバムが1枚のCDになって再販!?
オリジナル・マスターテープからリマスタリングしているらしいけど、デジタルではないらしい。
趣旨がよくわからなかったけど、"No Heavy Petting"の方が未聴だったので買いました。
ザクザクのシンプルなリフが格好いい"Natural Thing"を収録。
- Phenomenon・Force It/UFO
- こちらは"Phenomenon"の方がまだ未聴なので買いました。
超名曲の"Doctor Doctor"、"Rock Bottom"を収録。マイケル・シェンカーのギターがおいおい泣いています。
- Finyl Vinyl/Rainbow
- ジョー・リン・ターナー時代を中心にRAIBOWの歴史を総括した感のあるライブ・アルバム。
グラハム・ボネットが"Since You Been Gone"1曲だけというのは寂しい。
"Since〜"から間髪おかず"Over The Rainbow"のフレーズを用いたエンディングへと向かっていく構成のセンスは最高!
このアルバムのハイライトはやはり"Difficult To Cure"でオーケストラとの共演であろう。
ベートーヴェン交響曲第9番第4楽章の美味しいところが再現されています。
"Weiss Heim"はスタジオ録音のインスト・バラードだけど、これがまたよいのです。
バッハの平均律クラヴィーア集の1曲目"アヴェ・マリア”で有名なリフレインが品よく登場するのです。
クラシック音楽にも親しんでおくと、いろんな発見があってRainbowを余すところなく楽しむことができるわけ。
- Bent Out Of Shape/Rainbow
- デジタル・リマスタリングで買い直し。
どちらかというとポップよりな仕上がりの作品なのだが、アルバム全体を通じてビシッと異様な緊張感が支配している。
リッチー・ブラックモアのギラギラと燃える情念と妥協なき創作理念が自然とそうした雰囲気を生んでいるのであろう。
キャッチーなバラード"Street Of Dreams"、イントロの荘厳なパイプオルガンや切ないメロディと歌詞が印象的な"Can't Let You Go"は好きだなあ。
快速な"Drinking With The Devil"もだんぜん格好いい。
"Snow Man"はレイモンド・ブリックスのアニメ主題曲が元ネタのインストナンバー。
DEEP PURPLE再結成のためにRAIBOWはこのアルバムで一旦歴史を閉じることになる。
- On Stage/Rainbow
- デジタル・リマスタリングで買い直し。
リッチー、ロニー、コージーの三頭政治時代白熱のライブ。
オープニングはお約束の"Over The Rainbow"から一気に"Kill The KIng"へ怒濤の如くなだれ込む。
のっけから鳥肌モノの展開で目頭が熱くなる。"Man On The Silver Mountain"からまたお約束の"Blues"を挟みつつ"Starstruck"へつなぎ、
最後はまた"Man On The Silver Mountain"に戻ってくる構成の妙技。
"Mistreated"におけるロニーの熱唱もハイライトのひとつ。
この人達の凄いところは、ライブでいろいろ変幻自在に応用がきくところだと思います。
決められたフォーマットしかできない似非プロの多い昨今であるよなあ。実に嘆かわしい。
彼らを早急に見習った方がいいヘタクソが世の中にいっぱいいるような気がする。
- Make My Day/Terra Nova
- 素晴らしい!!の一言。もし自分がBURRN!の記者ならば、最低でも95点は差し上げたい。
捨て曲なし!アルバムを通して聴いた時間が非常に短く感じられた。あっという間だった。
この手のバンドにしてはギターの音が分厚くメリハリがあって、とっても良い感じ。
甘ったるいポップな楽曲をギターが薬味になって全体の印象をビシッと引き締めているのに貢献している。
このアルバムを聴かずして一生を終えるのは、悲しい人生と言えましょう。
オランダ出身の人たちの3rdアルバム。今のところこれがこの人達の最高傑作だと私は勝手に思ってます。
- Music For Hangovers/Cheap Trick
- 「ドウモアリガト」なんてMCが入っているから、てっきり日本公演の音源かと思いきや。。。
アメリカ公演の実況録音でした。The Beatlesへの尊敬の意と憧れが素直に出ている音楽。
実は、Cheap TrickのCDは初購入。どれも初めて聞く曲ばかりなので、「おお!この曲もやっているぅ!」
というような感動とは残念ながら無縁なのです。リアルタイムなファンの人が羨ましい。
- She/Harry Connick,Jr.
- なんとなく屈折したポップス。
というのも脳天気で陽気なファンクのリズムに、煮え切らないメロディがのっかっている様な感じだったもので。
ジャズを歌ってこそのハリー。この手の音楽だったら他の人が歌っても問題ない。
ハリーがあえてジャズ以外の音楽に手を出した理由がここには見あたらない。
こういう音楽もできますよというのを言いたかったのか?自分のルーツを明らかにしたかったのか?
息抜きですかね?これも、もうちょっと聞き込まないと何も言えない。
- To See You/Harry Connick,Jr.
- ラヴ・バラード特集?ドライブ中は眠たくなってしまいそうなので要注意。
クルマを停めて恋人とイチャイチャするときに使用しましょう。
- We Are In Love/Harry Connick,Jr.
- 第2のフランク・シナトラを目指しているのかしら。確か、このCD1曲目は何かのCMに使われていたっけ。
あのCMを見てこのCDを聴いたのを契機にJAZZにも開眼した人って結構いるのではないだろうか。
落ち着いたアダルトな雰囲気に浸ってみたいときにオススメの一枚。
- When My Heart Finds Christmas/Harry Connick,Jr.
- スタンダードなクリスマス・ソングをジャズにアレンジ。
ハリーの湿り気を帯びた甘い歌声にのると、とてもロマンティックな音楽に変身。
VAUGHAN WILLIAMSのグリーン・スリーブスが元になっている曲もあった。
雪の降るクリスマスに暖炉のある家で恋人とワインと一緒に楽しみたい。
そんな豪華な家とは一生縁がなさそうだけどさ。言うだけはタダ!
- Exitentialism 出口主義/The Beatniks
- YMOの"BGM"と高橋さんの"ニウロマンティック"とこの作品は同時期に作られたこともあって、共通する空気というか雰囲気が感じられる。
実験色が強い作品。もうちょっと聞き込んでからつっこんだ感想を述べたい。
- Murdered By The Music Remix/Yukihiro Takahashi
- ああ。つい最近Discord Remixで懲りたのに、またしてもRemixものに手を出してしまった。。。
というのも、"Saravah! Remix"の方はスッキリとまとめられていたし、オリジナル音源に対する尊敬の意も感じられてとても好感を持っていたもので。
その続編を期待してしまったわけ。しかし、こちらはユキヒロさんの音楽が無惨にも破壊されていた。
聞こえてくるのはRemixを手掛けたよその人のマスターベーション的な自己満足だけ。
あえて跡形もなく破壊するのならば、元の音楽を越えるモノを提示してもらわないと意味がないし、私には納得できない。
残念ながら満足・納得のいく水準に達している曲はひとつもなかった。
ちなみに中古で買ったんだけど、それでも高いと感じてしまったよ。
この後味の悪い印象がすべてを物語っているよね。
- The Sheltering Sky/O.S.T
- ベルナルド・ベルトリッチ監督作品「シェルタリング・スカイ」のサントラ。
主演は"キリング・フィールド"、"コン・エアー"、「シークレット・サービス」などのジョン・マルコビッチと"愛と青春の旅立ち"のデブラ・ウィンガー。
教授が参加しているので購入。映画の方はまだ見ていません。
テーマ曲では教授ならではのメロディセンスがキラリと光る。
教授の音楽と古そうなジャズの取り合わせは、そこはかとなくシュールです。
- Giving The Game Away/Thunder
- 安定路線に入ってしまったような気がする。悪く言えば人畜無害で無難な感じというか。
デビュー作"Backstreet Symphony"の頃の尖った雰囲気はすでになく、コジンマリと落ち着いてしまった感じ。
老成するにはまだ早すぎるよ。ものすごく物足りなさを感じた。もっと冒険して欲しかった。ガツンとくる曲が欲しかった。
3曲目のタイトル曲はThe Beatlesの"I'm The Walrus"を思い出させる。
6曲目の"Numb"もピアノのリフレインが思いっきりThe Beatlesしてる。
果たして彼らが目指しているモノは?
- DISCORD Gutninja Remixes/Ryuichi Sakamoto
- 元の音源であるDiscordをまだ聴いたことがないので判断できません。
ぱっと聴いた感じでは、坂本龍一の音楽はあまり聞こえてこなかった気がする。
リミックスというのはそういうものだと言われてしまえばそれまでだけど。
KraftwerkやTangerine Dreamのように自分の作品を自分でリミックスするのは納得できるんだけど。
他人がよその人の音源をサディスティックなまでに原型をとどめなくなるまでいじくった感じ。
ライナーに書いてあったような原曲に対する尊敬の意が、自分にはあまり感じられず、好きになれなかったし楽しめなかった。
こういうのが今の流行りなのだとしても、自分には必要のない音楽。Discordを聴いて果たしてこの認識がかわるかどうか?
- BTTB(通常盤)/Ryuichi Sakamoto
- YMOの東風が入っているので買いました。豪華版をすでにもっているのに。。。。テンポが速くてとても忙しい東風でした。
教授と契約したからと言ってアルファ商法まで引き継いじゃうのは如何なものか?
1曲目の"Opus"は低音部のコードがちょっと遅れて出てくるあたりサティですね。ジムノペディを想起させる。
14曲目の"Aqua"では教授が優れたメロディ・メイカーであることをまざまざと見せつけてくれる。
惜しむらくは、口琴のシュールな曲を入れるなら、中盤にもイイ意味でわかりやすい曲を入れて欲しかったな。
中盤はとっつきにくい曲が多くて中だるみ。ドビュッシーのピアノ曲等に慣れ親しんでいる人でないときついかもしれない。
- Straigh Between The Eyes/Rainbow
- デジタル・リマスタリングで買い直し。これは自分をHR/HMの世界に開眼させ、ギターを手にすることまで決心させた記念避的作品。
そういう意味でこのアルバムはとても思い入れが強い。自分の音楽的世界観をガラリと変えてしまったのだから。"Death Alley Driver"のプロモ・ビデオがそもそもの出会い。今見ると爆笑もののビデオだけど。
それまでは、リッチー・ブラックモアというギタリストの存在すら知らなかった。
派手なパフォーマンスとクラシカルなギター・ソロが衝撃的で鳥肌が立った。もうイチコロ。
世の中にはこんなに派手にギターを弾く人がいるものかと。前作の反省?もあって、ストレートでシンプルなロックを展開している。
- Difficult To Cure/Rainbow
- カセットでは持っていたけど、CDは何故か持っていなかった。
ヴォーカルにジョー・リン・ターナーを迎えた初の作品。レコードに針を乗せた瞬間、思わずのけぞってしまった人は多いのではないかしら。
1曲目に"Spot Light KId"ではなくて、いきなり"I Surrender"を持ってくるあたりがミソですね。
Rainbowがポップス・バンドになってしまったと、古くからのファンから非難囂々だったらしいですね。
HR/HM以外のファンも惹きつけることになったのだけど。
ラストの"Dificult To Cure"はベートーヴェン交響曲第9番第4楽章の有名なフレーズがモチーフになっているインスト。
- Down To Earth/Rainbow
- デジタル・リマスタリングで買い直し。ヴォーカルはこれが最初で最後のグラハム・ボネット。
彼のロック・ヴォーカリストらしからぬ短髪ヘアスタイルに拒否反応を起こしたファンは結構多かったらしい。
リッチー・ブラックモアもそれが気に入らなかったとか。でも、この作品で聞ける彼の歌は一級品。
"All NIght Long"や"Since You Been Gone"でポップス化への方向性を明らかに。
コージー・パウエルもこの作品を最後に脱退。"Lost In Hollywood"は名曲!
"Eyes Of The World"は後にプロレスラー、ビッグバン・ベイダーの入場テーマ曲にとりあげられる。
- Long Live Rock 'n' Roll/Rainbow
- デジタル・リマスタリングで買い直し。ロニー・ジェイムス・ディオ最後の在籍スタジオ作品。
ロニーとリッチーの間で音楽的志向の微妙なズレが明らかになってくるのもこの頃か。
1曲の時間が比較的短くなっているあたり、リッチーのポップス化への色気がちらっとらっと見える。
"Kill The King"は様式美系メタルの教科書ともいうべき名曲。
- Rainbow Rising/Rainbow
- デジタル・リマスタリングで買い直し。おかげで、特にコージーのドラムスがクリアに聞こえるのが嬉しい!
妥協なきRainbowの最高傑作!リッチー、ロニー、コージーの三頭政治がここに確立。
己の信ずる道をまっしぐらに突き進んでいる。大衆やレコード会社への媚びは一切なし。
トータル時間はわずか40分にも満たないのだけど、もっと長い時間聴いていたように思わせる充実の内容。
"Stargazer"はこのアルバムを象徴する超大作。
とにかく中身が濃いです。これを聴かずにRainbowを語るなかれ。逆にいうとビギナーにはとっつきにくいかも。
- Ritchie Blackmore's Rainbow/Ritchie Blackmore's Rainbow
- デジタル・リマスタリングで買い直し。Deep Purpleを脱退したリッチー・ブラックモアがロニー・ジェイムス・ディオ在籍するELFを乗っ取ってRainbowを結成。
記念すべきファースト・アルバム。作品全体に開放感が満ちているように思えるのは気のせい?
リッチーは肩の荷が降りてホッとしたのかな。。。自分のやりたい音楽を好きなだけできる喜びに満ちているような気がする。
"Catch The Rainbow"でいつも眠たくなってしまう。
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